認知症の老人徘徊
認知症は狭義の意味としては「知能が後天的に低下した状態」の事を指しますが、医学的には「知能」の他に「記憶」「見当識」を含む認知の障害や「人格変化」などを伴った症候群として定義されています。
単に老化に伴って物覚えが悪くなるといった誰にでも起きる現象は含まず、病的に能力が低下するもののみを指します。
認知症の原因としては脳炎、脳外傷、循環障害、変性疾患、中毒(アルコール、一酸化炭素、水銀など)、そのほか脳を破壊する多くの脳疾患があげられ、治療としては、それぞれの基礎疾患に対する治療が最優先で、同時に患者に対する生活上の介助、看護、合併症の予防など進行を防ぐのが大切です。
認知症の症状の1つとして、目的や目標はもとより、自覚しているか否かもはっきりしないまま動きまわるという、老人徘徊として現れることがあります。常にそばにいて見守ることが出来れば問題ないのですが、24時間ずっと一緒というのは難しいことだと思います。
そんな時に力を貸してくれる認知症老人徘徊感知機器というものがあります。認知症老人徘徊感知機器は認知症である老人が屋外へ出ようとした時等、センサーにより感知し、家族、隣人等へ通報するもので、認知症の老人徘徊による危険性を未然に防ぐための通報システムです。
赤外線センサーを通路や出入り口などに設置し、通行すると作動する人感センサー型、重量センサーを玄関やベッド脇のマットの下に設置し、人の動きを感知して作動するシートセンサー型、小型発信機を認知症老人の身に付け、電波を受信して感知する送信機型などがあります。
徘徊センサーの上手な身につけ方の例は、「これは安全を祈ってもらってきたお守りですよ。なくすといけないからここにピンでつけますね。」とお守り袋の中に入れ、背中側に安全ピンでつけるといいようです。首にぶら下げることは、自分の手で取ることが出来るので、すぐになくしてしまうので避けた方がいいようです。
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