アルツハイマー型認知症
アルツハイマー病は、認知機能低下、人格の変化を主な症状とする認知症の一種で、日本では、認知症のうちでも脳血管性認知症、レビー小体病と並んで最も多いタイプです。
アルツハイマー病には、遺伝性アルツハイマー病ともよばれる家族性アルツハイマー病と60歳以上の老年期に発症するアルツハイマー型認知症があります。
アルツハイマー型認知症にも遺伝的要因は少し影響し、親族にアルツハイマー型認知症の患者がいる場合は多少罹患のリスクが上昇するといわれ、特に50~54歳に発症した親族がいる場合、早期発症する危険が約20倍に上るというデータがあります。
生活習慣なども危険因子となり、アルツハイマー病罹患リスクは、糖尿病患者では1.3~1.8倍に増加すると報告されています。たばこもアルツハイマー型認知症の発症のリスクを高め、自ら吸うたばこだけではなく、非喫煙者であってもたばこから出る有害物質の影響を受け発症率が高まるようです。
食習慣では、魚(EPA・DHAなどの脂肪酸)の摂取、野菜果物(ビタミンE・ビタミンC・βカロテンなど)の摂取、赤ワイン(ポリフェノール)の摂取などがアルツハイマー型認知症の発症を抑えることが分かっていて、1日に1回以上魚を食べている人に比べ、魚をほとんど食べない人は発症リスクが約5倍だというデータがあります。
また、有酸素運動で高血圧やコレステロールのレベルが下がり、脳血流量が増すので、運動習慣も発症の危険を下げると言われています。
ある研究では、普通の歩行速度を超える運動強度で週3回以上運動している人は、全く運動しない人と比べて、アルツハイマー型認知症の発症のリスクが半分になっていたそうです。
その他、テレビ・ラジオの視聴、トランプ・オセロなどのゲームをする、新聞を読む、楽器の演奏、ダンスなどをよく行う人など、知的生活習慣もアルツハイマー型認知症の発症のリスクを下げるという研究結果もあります。
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