老人徘徊の防止
以前、日本では認知症のことを痴呆と呼ぶのが一般的でしたが、2004年に厚生労働省の用語検討会によって認知症への言い換えを求める報告がまとめられ、まず行政分野および高齢者介護分野において痴呆の語が廃止され認知症に置き換えられ、各医学会においても2007年頃までにほぼ言い換えがなされました。
この認知症ですが、その症状の一つに老人徘徊というものがあります。
老人徘徊とは、老人が道に迷う、あてもなく歩き回るということですが、ご家族にとっては「事故に遭うのではないか」「行方不明になったら」という不安で精神的に大きな負担となるのではないでしょうか。
しかし、認知症の方にはそれなりの理由がありますので、老人徘徊の原因、認知症の方の欲求を冷静に考えて対応していく必要があります。
老人徘徊は認知症の一つの症状ですが、実際に出現する行動は老人徘徊でも、不満やストレスの発散として「どこか別の地に行く」という発想が浮かび、行動している傾向が多いので、今、現在行きたい!!と思ったら、「明日行きましょう」ではないので、老人徘徊しても危険がないような通路や散歩道があれば、自由に老人徘徊させるのが一番いいのではないでしょうか。
具体的には、毎朝決まった時間に散歩するとか、とにかく気晴らしとなる趣味があり、老人徘徊する暇がないようにするとか方法を考えなければなりません。認知症だから趣味がないということはなく、好きなことだったら固執して取り組むことが多いようです。
ただ、目を離した隙に行方不明になりましたでは大変なので、もしものために、衣類や靴には電話番号と名前を書いておいたり、縫いつけておいたりすることが薦められています。また、徘徊センサーのレンタル・貸与がある市町村も多いので、そのようなサービスを利用することも選択肢にいれて考えると良いと思います。
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