確実に成功させるために
在宅介護の場合にはそれほど注意点はありません。設定した時刻にできるだけ光を浴びることにつきます。強いて言えば、光は目から入れて脳に刺激を伝えるので、視界の中に光が十分に入っていることを確認することが重要です。
これに対して、介護施設で光療法を実施する場合は、施設のルール、多くの人が関わること、逆に人手不足など、様々な制限が加わります。
詳しくは導入指示書を読んでいただくとして、光療法を現場に導入するために最低限必要なことだけを列挙しておきます。
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全員の知識・目的意識が統一されていること
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現場導入が簡単であること
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光療法による変化に気づくこと
全員の知識・目的意識が統一されていること
光療法を始める前に、関係する人全員で知識・目的意識を共有することが大切です。これが最も重要です。
介護施設ではひじょうに多くの方が係わられので、光療法のような馴染みのない方法を取り入れる際には、最初に十分な理解を浸透させておかないと、同じ患者の結果を見て異なる観察結果を得ることさえ出てきます。更に、もともと何のためにやっているのか根本的な理解がずれてしまうことさえあり得ます。
現場導入が簡単であること
スタッフの方が十分に実施できる方法でなければ、現場での運用に支障をきたします。特に光療法を開始した直後は手間がかかると感じると思いますが、慣れると習慣となるので短期集中で実施することが重要です。
経験的には、自ら効果を確認できたスタッフの方は、光療法を行うのに手間はほとんどかからないと認識しており、自らやり方を工夫されるようになって好循環が生まれることがわかっています。
光療法による変化に気づくこと
光療法による変化に十分気きをつけておかないと、他の効果と区別がつかなくなる場合があります。特に、あまりに早く効果が早く出た場合は、その効果に“半信半疑”となりがちとなるので要注意です。これまでの例では、1日目から即効果が出た方がおられます。
光療法を実施する前に、他からの影響と区別がつくように、うまくデザインして実施することが重要です。「同時にこれこれも行ったので、そちらの影響ではないか?」などと言う結果にならないように注意する必要があります。評価方法を統一し、誰がやっても同じ評価結果が得られるように準備する必要があります。